ロボットでもCGでも2者に褒められると運動技能の習得が促進される ~学習やリハビリの支援システム開発に貢献~
「人を褒めて伸ばす」という言葉があります。近年の心理学研究により、人は運動トレーニングを行った際に他人から褒められると、運動技能を効率的に習得できることが明らかにされていました。本研究では、人ではなく、人工的な存在であるエージェント(ロボットやCGキャラクターなど)から褒められても、人は上手に運動技能を習得できることを科学的に証明しました。...
View Article腸内細菌がいなくなると睡眠パターンが乱れる
(Image by Emily frost/Shutterstock) 腸内細菌叢を含む腸内環境は、脳機能と相互に影響を及ぼしあっていることが明らかになっています。本研究では、慢性的な抗生物質投与によって腸内細菌叢を除去したマウスを用いて、腸内細菌叢と、脳機能の一つである睡眠の関係について調べました。...
View Articleブラインドサッカー選手のボールトラップには頭の動きが貢献している ~音を聴いて動きにつなげる手立てを発見~
(Image by Ververidis Vasilis/Shutterstock) 選手がアイマスクを付けてプレーするブラインドサッカーでは、転がると音が鳴るボールが用いられます。選手はその音を頼りに、刻々と変化するボールの位置を判断しています。しかし、選手がどのようにしてボールの位置を判断しているのか、具体的なことはよく分かっていませんでした。...
View Articleトマトの複数遺伝子の同時ゲノム編集に成功 〜ゲノム編集技術Target-AIDによる効率的品種改良〜
ゲノム編集技術は、生物が持つ遺伝子のDNA配列を狙い通りに書き換えることができる画期的な技術で、とりわけ農作物の品種改良への応用が期待されています。本研究グループは、新しいゲノム編集技術として2016年に開発された「Target-AID」が、トマトの1遺伝子の塩基編集に有効であることを報告しています。今回さらに、この技術により、トマトの複数遺伝子を同時に塩基編集することに成功しました。...
View Article細胞死に陥りつつある角化細胞が皮膚線維化を誘導する 〜皮膚炎症後のリモデリング機構を解明〜
(Image by Kateryna Kon/Shutterstock) 移植片対宿主病は、血液悪性疾患の治療で行われる骨髄移植の副作用で、ドナー骨髄細胞がレシピエント臓器組織を攻撃することで起こります。慢性化すると皮膚が硬くなり(線維化)、患者のQOLを低下させます。この症状は、炎症後のリモデリング(組織の再構築)と考えられてきましたが、詳細は不明です。...
View Article宇宙を飛び交うニュートリノの動きを明らかに ~世界初の6次元シミュレーションに成功~
物質を構成する基本的な素粒子の一つであるニュートリノは我々の宇宙に大量に存在し、わずかながら質量を持つことが知られています。しかし、その質量は、地上の素粒子実験などでは測定が困難で、未解明の謎として残っています。一方、宇宙における天体や物質の分布(大規模構造)の詳細な観測からニュートリノの質量を測定できることが近年の宇宙進化の理論によって示され、大型観測プロジェクトが世界中で計画されています。...
View Articleサッカーのスピードアップには状況判断を伴うトレーニングが効果的
サッカー選手は試合中、常に状況判断が求められる中で、その動きを加速したり、様々な角度に方向転換したりすることが求められます。その中でも方向転換は、1試合当たり約700回も行われるとされ、競技力の高い選手は方向転換能力に優れていることが報告されています。このため、方向転換走は、選手の体力評価や能力評価のためのテスト運動として用いられてきました。...
View Article高効率ペロブスカイト太陽電池の劣化機構を分子レベルで解明 〜低コスト長寿命な製品開発に貢献〜
(印刷で作製できる低コスト、柔軟かつ軽量な特徴を持つペロブスカイト太陽電池=京都大学化学研究所提供) ペロブスカイト太陽電池は最近注目されている高効率な次世代の太陽電池です。しかし、分子レベルのミクロな観点からの劣化機構が不明で、太陽電池の長寿命化の妨げとなっていました。...
View Article動脈硬化発症を制御する転写因子の相互作用を発見
(Image by Christoph Burgstedt/Shutterstock) 動脈硬化は生活習慣病の終末像の一つで、脂質代謝異常がきっかけとなって血管の壁内の脂質蓄積が増加し、血管が細くなる病気です。これが原因となり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など死に直結するような重篤な疾患をもたらします。糖質代謝異常を抑制する仕組みが分かれば、それを標的とした動脈硬化治療の道が開けます。...
View Article意外に複雑なトランスフォーム断層地震 〜地震波形解析で明らかにした2020年カリブ海地震の断層形状と破壊過程〜
(Image by Andrey VP/Shutterstock) 大西洋に隣接するカリブ海では、プレート同士が水平にすれ違うトランスフォーム断層が発達し、地震の発生場として知られています。また、このトランスフォーム断層周辺では、水深6000メートルを超える深海底に平坦な海底が広がる特異な地形を呈し、地震の破壊過程との関係が注目されています。...
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